調停離婚

第三者を交えて行う離婚

第三者を交えて条件を調整して離婚することを「調停離婚」と言います。
ただここでいう「第三者」とは、しらない人や近所の人ではなく、家庭裁判所で行われる法律上の制度です。
「家庭裁判所」で行われることもあって、「弁護士さん依頼しないとダメだよね」と思っている方もいらっしゃいますが、しっかり準備すれば自分だけでなんとかなるケースがほとんどではないでしょうか。ただ、もちろん弁護士さんに依頼した方が、費用はかかるものの効率的ではあります。

調停離婚は、話し合いによる離婚がまとまらない、そもそも話し合いにならない、というような場合に利用される方法です。また、離婚裁判を行う場合には、必ずその前に調停を行わなければならない、というルールがあります。いきなり離婚のための裁判を行うことができないのです(「調停前置主義」などと言います。意味は、「裁判の前に調停するんだよ」ということです。)。

そもそも調停って?

調停は、裁判所の「調停委員」が当事者の間に入って、双方から言い分を聞き、その中で解決策を探り、提案する制度です。
離婚調停は、家庭裁判所にて行なわれますが、調停委員が双方から言い分を聞いて提案します。その提案にお互いが合意した場合に離婚が成立します。離婚調停は、基本的に当事者同士が話し合って、お互いが譲り合って解決することを目的としていますので,必ずしも法律にしばられず、実情に合った円満な解決を図ることに重きが置かれています。冒頭に「第三者を交えて」とご案内していますが、知らないおじちゃんや近所の顔見知りとかでは決してありません。

調停委員って?

調停委員は、非常勤の裁判所職員で最高裁判所から任命された人のことを言います。調停委員についての法律では、色々と調停委員になれる人についての資格が規定されていますが、一般の方が調停委員になっていることがほとんどです。例えば、もと校長先生であったり、昔社会保険労務士をしていたり・・・とまあマチマチなのですが、離婚についての専門家・・・弁護士でなくてはならない!というわけではありません。実際は弁護士以外の方々が調停委員になっているケースの方が多く、調停委員のための研修を受けたりして、実際の離婚調停に参加します。

具体的な流れは?

  • STEP.1
    申し立て
    家庭裁判所に「調停」の申し立てをします。
  • STEP.2
    お知らせ
    家庭裁判所より「呼び出し状」が到着します。
  • STEP.3
    調停
    「調停」が開始されます。
  • STEP.4
    合意
    調停を重ね、双方が合意した場合には「調停調書」を作成します。
  • STEP.5
    離婚届の提出
    調停調書を添えて離婚届を提出します。

解説

ステップ1 申し立て

調停を希望する方は、相手の住所がある場所の家庭裁判所に申し立てをします。
申し立てる際には、下記の書類を用意します。

夫婦関係調整調停申立書とその写し1通 家庭裁判所か裁判所サイトから書式をダウンロードできます。
当事者の戸籍 夫婦の戸籍を本籍のある市区町村で取得します。
年金分割のための情報通知書 年金分割割合についての申立てが含まれている場合に必要になります。年金事務所、各共済組合、私学事業団などで取得できますが、発行から1年以内のものが必要になります。
その他 上記以外に、調停が進んでいく中で「この書類を用意してください!」「あの書類を用意してください!」というように特定の書類の提出を指示されることもあります。

ステップ2 お知らせ

申し立てから、1~2週間すると「呼出状」が到着します。呼出状には第1回調停の日時が記載されていますので基本的にはその日時に本人が出席します。調停は、平日に行われるのが原則です。もし呼出状の日時が都合が悪い!という時は、期日の変更も可能です。
ちなみに・・・・無断で欠席した場合には、5万円以下の罰金を科せられることもあるので十分注意したほうがいいですね。

ステップ3 調停

家庭裁判所において、調停が開始されます。調停委員が当事者双方の意見を聞いて、解決策をうかがい解決に向けた提案(調停案)をします。意見の聞き取りは調停室という部屋で個別に行われ、当事者同士が顔を合わせることはありません。調停の中で得たお互いの言い分を調整して最終的には「調停案」が提示されます。これについて合意しても合意しなくても、どちらでも構いません。お互いが合意した場合には「調停調書」が作成されます。合意しなかった場合には、「調停不成立」となります。

ステップ4 合意

合意がなされた場合には、「調停調書」が作成されます。調停調書は裁判の確定判決と同じ効力があります。ですから、調停調書に記載されていることが守られない場合には、強制執行が可能です。その他調停調書に記載されていることが守られなかった場合、一定の手続きを行うことにより家庭裁判所による「履行勧告」「履行命令」の対象になります。

ステップ5 離婚届の提出

調停が成立した日から10日以内に、離婚届を提出します。調停成立は「調停調書が作成された時点」です(そして「離婚した日」にということになります。)。

調停離婚のメリット・デメリット

話し合いで離婚をする「協議離婚」のメリット・デメリットについてお話します。

メリット


調停委員など第三者が間に入って、当事者の意見をまとめてくれる。


作成される「調停調書」は、「強制執行」することができる。また裁判所による「履行勧告」「履行命令」の対象にもなる。


当事者同士が顔を合わせずに、進めることができる。


調停調書作成費用がそこまで高くない、いやむしろ安い。

①について

当事者同士では話し合いがまとまたらい、そもそも話し合いにならない・・・、それに比べると、調停委員会が間に入る、双方の意見をきいていそれをもとに解決策を探って調停案を提案するので、調停案にお互いが合意するかは別として離婚に向けた話し合いは基本的には進んでいきます。話し合いに応じてくれない場合は「すぐ調停」という感じでいいのではないでしょうか・・・ 最後の段階、調停調書が作成され確認する作業がありますが、その時だけ夫婦当事者が一緒に調停室に入りますが、それ以外は別々に意見の聞き取りが行われます。

②について

「強制執行できる」のは「公正証書」と同じです。それ以外に「履行勧告」「履行命令」を行うことができる点が公正証書と違います。

③について

話し合いにならないくらいの場合、中にはお互いもめてしまったことが原因のケースもあるはずです。そのほか会って話をすると、自分の気持ちを伝えられなかったり(特にモラハラを受けていたり精神的に抑圧されている場合など、その他DVを受けているとか)、そんな時にはお互いが顔を合わせないほうがいいですよね。

④について

調停費用は申し立て費用(調停の申し込みをするときに、最初にかかるお金)が収入印紙1,200円、切手代800円程度(家庭裁判所により違いがあります)がかかります(自分ひとりで調停を行った場合)。裁判は弁護士費用が発生します。離婚協議書や離婚公正証書を専門家(弁護士や行政書士)に依頼した場合にも報酬が発生します(公正証書の場合は公証役場(公正証書を作成するところ)にも費用を支払います。)

デメリット


調停のは、毎月1~2回ほど、平日に行われる。


1回で調停が成立することはあまりなく、何度も裁判所にかよう可能性がある。


自分で、調停委員にうまく説明しなければならない(弁護士に依頼しない場合)。


調停は不成立に終わることも多々ある。

①について

ポンポンポン~と進んでくれればいいのですが、基本的には毎月1回~2回(基本的には1回と考えておいたほうがいいいかも)で進んでいきます。家庭裁判所をはじめ、国の機関は「月~金」に窓口がやっており、対応も基本的には決まった時間内でしか行ってくれません(だいたい9:30~11:30 13:00~16:00ではないでしょうか・・・)

②について

協議離婚の場合は「話し合いによる離婚」なのでお互いが「この条件で離婚しよう!」と合意すれば離婚が成立しますが、そこはなかなか思うように進みません。さらに、当事者の都合もありますし、お互いの意見・主張がまとまらなければおのずとその期間が長引いてしまいます。もめにもめていて話し合い人あらないなぁ、という場合は調停に進むほうがいいと思います。頑張って話し合いで解決しようよ!という気持ちがあるなら「協議離婚」を進めたほうがいいいのかなぁ、と思います。調停が終了すまで4か月~1年かかる、と言われていたりもします。だけれども、この期間は調停が終わる期間であって、調停が成立(調停が合意にいたって離婚すること)することとはまた別のお話なので、例えば半年、1年たっても結局調停が不成立に終わった・・・というケースも普通にあります。

③について

調停委員には、自分で状況や、気持ち、希望を説明しないといけません。ですから、自分の意見をあらかじめまとめておく、証拠を集めておく、など準備をしますが、なかなか負担のかかるところではあります。そして「伝わる言葉で」準備してきたことを伝えていかなければなりません。

④について

時間もかかる、準備の負担もかかる、そして半年、1年間かけてのぞんだ調停、結果は「不成立」・・・。こんなことは多々あります。自分にとっていい条件の調停案であっても、その内容を相手側が認めなければそこで「調停不成立」です。

アキラの意見

離婚調停は、「話し合いにならないなぁ」「そもそも会ってくれないなぁ」とか「裁判しないと、そもそもダメだよね」といった場合には利用すべき制度です。また、調停という「第三者を交えた離婚に向けた話し合い」をした後に、当事者同士の話し合いに戻って離婚が成立する、ということも多々あります。離婚調停を経験したことで、話し合うべき内容等が分かってきますから「それなら自分たちできめようか?」となるケースです。なので「話し合いで解決してたいけど、まとまらないなぁ」という時、離婚調停をはさむのもいいのかんぁ、と思います。
ただ、調停の結果が出るまで時間がかかっちゃいますよね。

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